はだける怪物
こんばんは。
今日もおげれつたなかさんで、前回の『ほどける怪物』の続編です。上下巻で、綺麗に完結しています。
ほどける怪物で恋人同士になってからのお話ですが、前回林田さんの過去の傷のことは解決していませんでした。
写真のことが気になる秀那と、過去を引き摺る林田さん。でも上巻はイチャイチャとデートするシーンがたくさんあり、可愛いです。
過去のかんちゃんも出てきます。
顔は林田さんなのに、キャラが全然違って可愛いです。にゃはって感じです。今の林田さんが可愛いのは、根っこにかんちゃんがいるからなんだなぁと思います。
このピアスのシーンと、
この電話のシーンが好きです。
イチャイチャしていてやらしくて、ニヤニヤというか最早ニコニコと見守る気持ちになります。
林田さんの元カレ、弓も登場します。
少しですが真山も出てきますので、『錆びた夜でも恋は囁く』の2人のその後も読めます。
林田さんの過去は変えられないもので、それを2人がどうやって乗り越えていくか。ご都合主義ではない良い終わり方だったように思います。
弓との関係が素敵ですね。
最終話、悲しいのではなく、じんわりと泣きました。
登場人物の誰の気持ちも共感できるというか、感情移入できます。なによりも読後感がすごく良かったです。
ちなみに。
上巻は、小冊子付きも選べます。
この小冊子は、もともと同人誌で描かれたもののようで、まるっとかんちゃんと弓の過去のお話です。秀那は出てきません。
個人的には、読んでよかったと思います。
昔のニコニコかんちゃんが出てきます。
すごく可愛いんですが、この笑顔を見るだけで切ない。
このニコニコかんちゃんが、どのような経緯で弓に暴力を振るうようになったかというお話です。
勤めていたブラック会社で、どんな仕打ちをされていたか、なにがかんちゃんを追い詰めたか、よくわかります。
それでも恋人を殴って憂さ晴らししていたのは間違いないのですが、かんちゃんの状況は逃げ場がなさすぎて、可哀想で泣けてきます。それと同時に、秀那と出会って笑っている事が嬉しくて、ほっとします。
弓の気持ちが真山に向いていたことも大きな要因だったように思います。かんちゃんの事はちゃんと好きだけど、心のどこかに誰か別の人がいる、と言うのもまた、リアルな話かなと思いました。
というわけで、とても良く出来ていますので、是非読んでみて欲しい一作です。
できれば『ほどける怪物』も読んで欲しいし、さらにできれば『錆びた夜でも恋は囁く』も読むと理解が深まると思います。
でも今作だけでも是非。
それでは、おやすみなさい。